すてにゃんと僕
紅白ぺぱ合戦
Nov 30th, 2024
Profile

- id: Songmu (ソンムー)
- Masayuki Matsuki / 松木雅幸
- 株式会社ヘンリー 人事本部 VP of Engineering
- 元Mackerelプロダクトマネージャー
- 妻とは付き合い始めて22年目、新婚16年目
You bless it!
祝福しましょう!

このTシャツはYAPC::KyotoのカンファレンスTシャツで、uzullaさんがスポンサーされたものです。
Perlのblessいいですよね
You bless it.
はPerlコードとして動かすことはできるが、動かそうと思うと折角の組み込みのbless関数を使わずに実装する必要があるし、間接オブジェクト記法を使わないといけないので(ry
すてにゃんへの感謝と懺悔と仲間じゃん
- 良い時代を一緒に過ごし、成長させてもらって、仲間になった
- 「仲間じゃん」ははてな用語
今日話すのは、この時、僕から見えていた景色

脳内Songmuの解像度が高い件について

すてにゃんと僕
- 2015年3月 新卒採用面接
- 2015年7月 Songmuがいたチーム(Mackerel)に配属
- 2017年まで同じチーム (すてにゃんの異動により解消)
- 2019年まで同僚 (Songmuの退職により解消)
すてにゃん入社前後当時のSongmuの状況
- 2014年9月 はてな入社
- はてな東京開発センターの一人目のエンジニアとして入社
- Mackerel正式リリース月
- 2015年1月 はてなチーフエンジニア 兼 Mackerelチームディレクター
- チームエンジニア: はてなのエンジニア組織の長の一人
- ディレクター: Mackerel開発チームのマネジメント
- イチエンジニアからW課長みたいなマネジメントロールに
1年目だらけの2015年
- 新卒1年目のすてにゃん
- 事業1年目のMackerel
- マネジメント1年目のSongmu
すてにゃんの新卒面接
すてにゃんの採用面接
- 当時アメリカの大学に所属していたのでオンラインで面接
- w/ id:stanaka (当時はてなCTO兼Mackerelプロデューサー), id:Songmu
- 当時のMackerelチームの2トップ
- 「この人には絶対入社してもらうしかない」と二人で大興奮
- Mackerelは世界を狙うサービスで、そのための人材だと確信
- USで就職する選択も含めて色々な選択肢があったと思うが、はてなに入社してくれた
- めちゃくちゃ嬉しかった
- ちなみに、私が採用に関わった初めての新卒で、初の東京オフィス配属エンジニアでもあった
すてにゃんとの配属時の顔合わせ
順当にMackerelチームに配属。Songmuは、すてにゃんの上司兼メンター的な立場だった。
はてな社は、はてなIDなどのあだな(本人が呼んで欲しい呼称)で呼び合う文化。(強制ではない)
- Songmu「なんと呼べば良いですか?ステファファファンかステファンか」
- すてにゃん「すてにゃんと呼んでください」
- Songmu「すて…にゃん!?」
「すてにゃん」呼びへ当初の戸惑い
今から思うと不思議だが、戸惑いがあった。すぐに慣れた。クールなすてにゃんをにゃんと呼ぶことに自分の中に少し変な囚われがあったのだと思う。はてな社のCTOを平気でID呼びしているというのに。
すてにゃん入社時の状況
当時のMackerelチーム
- リリースから1年未満の新規事業
- 全職種合わせて7,8名程度の小さなチーム
- 京都オフィス・東京オフィス・愛知自宅フルリモートの3拠点体制
- すてにゃんは東京オフィスに入社
当時のはてな東京オフィス
- エンジニアが少なかった
- Songmuは、2014年9月にはてな東京開発センターの1人目のエンジニアとして入社
- 東京にオフィスはあり20名程度社員がいた (主に編集者や広告営業)
- すてにゃんは4人目のエンジニアとして入社
- 他3人は id:stanaka, id:Songmu, 他1名(はてなブログチーム)
- stanaka, SongmuはMackerelチーム所属ではあるが、開発業務はほぼやっていなかった
当時は組織も私も未熟だった
- 東京のMackerelチームですてにゃんと一緒に働く開発エンジニアがいなかった
- Songmuが一応メンター的な立場だったが、営業などで不在なことが多かった
- その後(同じチームではないが)、KGAさんやmasawadaさんが入社してくれたのはありがたかった
- masawadaさんは新卒年次としてはすてにゃんと同期
- すてにゃんは優秀だから勝手に育つだろうと楽観視していた
はてな社の新卒(当時)
- はてなインターンからの採用が多かった
- そうじゃなくても学生Web開発コミュニティに所属していたり、個人開発している人が多かった
- つまり、日本のWeb系開発のコンテキストをすでにある程度理解している人が多い
- そういう人であれば、あまり細かく教えずとも育ってくれるかも知れないが
- 正直Songmuのそれまで面倒を見た新卒はそういう人ばかりだった
- → すてにゃんはそうじゃなかった!
- 当たり前!
- すてにゃんは「アメリカの大学」で「インタラクティブメディアとゲーム開発」を専攻
すてにゃんを伸び悩ませてしまった
- 未熟なのはいつだってそうだが、ここは大反省
- そんな未熟な状況で新卒で入ってきてくれた
- すてにゃんは会社には馴染んでいるから大丈夫だろうと高をくくっていた
- Songmuも手をこまねいていた
なぜ手をこまねいていたのか
Songmuのマネジメント観
山本五十六の言葉の最初の部分があまり好きではない
やってみせ 言って聞かせて させてみせ 誉めてやらねば 人は動かじ
- やってみせる必要はない
- 課題を伝えるに留め、自由にやってもらわないと当人の自発性や創造性が育たない
- 誉める必要はない
- ポジティブフィードバックはバンバンやりたいが、感動を伝えたいからで、人を動かすためにやるわけではない
相手は子供じゃないんだから。
ちなみに、中盤・後半部分は好き
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
自分の劣化コピーを作りたくない
- 若い人は自分よりも優秀に決まっている
- 自分の能力で自分の部下を律速したくない
- 自分が教え込むと、自分の劣化コピーができるだけなんじゃないかと言う恐れ
- 優秀な若者に自分なんかが教えることが失礼なんじゃないか
- 自分はエンジニアとして大したことはない (ニュアンスがあります)
ティーチングかコーチングか
- 基本的にはコーチング志向
- 道を示したり、背中を押すことの必要性
- お互い教えあえるのが理想
- すてにゃんに英語とか太鼓の達人とか教えてもらえれば良かった
- 師弟関係が権威勾配につながるのがイヤ
すてにゃんにWebアプリケーション開発を教える
- 1年くらい経ってやっと「このままだと良くないな」と向き合った
- すてにゃんに基礎から改めてWebアプリーケーション開発を学んでもらうことに
基礎からのWebアプリケーション開発
- すてにゃんは、大学でWebアプリケーション開発を体系的に学んでいない(専攻外)
- はてなインターンのGoの教材を参考にWebアプリケーション開発を学んでもらった
- 業務から離れ、サンプルアプリケーションから開発してもらった
- 2週間位は毎日Songmuと1on1でペアプロしたりレビューする時間を設けていた
- そこから明らかに成長曲線が変わった
反省と学び
僕がこれまで関わった新卒育成のなかで一番大きい反省項目。挽回できて良かった。(挽回できたからこの場にいるはず)
- コンテキスト(文化圏)の違いを意識する
- ティーチングとコーチング
- 体形立てて学んでもらう機会を作るのもマネジメントの役目
- 急がば回れ
- 特に業務の中では、そういう時間を割り当ててあげることが大事
マネジメント失敗を共有できる関係性であること
すてにゃんは僕に少なからず育ててもらったと思ってくれているかも知れない。僕も成長に貢献できた部分もあるとは思うけど、すてにゃんを最初は活かせなかった、少なくとも1年位は成長をブロックしてしまった点は多いに反省しています。
結果オーライだからこの場に呼んでもらえているのだと思うし、そういう失敗を共有できる関係性であることもありがたい。
仲間じゃん
- Mackerelも新規事業だったが、はてなの事業の柱に
- すてにゃんも新卒だったが、立派なシニアなエンジニアに
- Songmuも新米マネージャーだったが当時よりかは成長した
良い時代を一緒に過ごせた。今も業界の仲間としてこの場にいるのが幸せ。
共に成長したい
- 個人的に一緒に働いた新卒のエンジニアは素晴らしい人だらけで、今も業界で活躍している
- 若い人の方が優秀だし、若い人の方が優秀な未来のある業界で働きたい
- 皆ライバルだし、ライバルになって欲しいし、ライバルになってくれると信じている
- 育成なんておこがましいことはあまり言いたくないが、僕の経験や知識はいくらでも共有したい
- 切磋琢磨したい
- 遠慮せずぶつかり合いたいですね
- ISUCON出ましょう(別にISUCONじゃなくても)
おわり
ご結婚おめでとうございます!!!:tada: